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バークレイズ、成長減速環境に備えるよう推奨

2015年9月30日

グローバル・アウトルック、持続不可能な高水準の投資を原動力とする経済の構造転換を迫られる中国の低迷の長期化を予想

【2015年9月30日、東京】– バークレイズは四半期調査レポート「グローバル・アウトルック」の最新号「Global Outlook: Position for mediocre growth」で、7-9月期の市場の大幅下落は新興国、特に中国の停滞を背景とする世界景気の低迷を受けたものとする見解を示しました。中国の成長減速が早期に反転する可能性は小さく、先進国も着実に成長し続けるものの力強さを欠くことから、投資家は株式エクスポージャーを前回の「グローバル・アウトルック」で推奨した小幅のオーバーウエイト・ポジションからより中立的なポジションに修正すべきとしています。

マクロ・リサーチ部門統括責任者であるアジェイ・ラジャドヒャ クシャは次のように述べています。「中国は長期間にわたり、持続することができない高水準の投資支出を原動力とする経済の構造転換という従来からの課題に関連する強い逆風に直面している。中国の一段の減速見通しは精彩にかける先進国の景気と相まって、投資家は今後数ヵ月、低成長環境に備えるべきであることを示唆している。早期回復は見込みにくい。」

先進国の経済成長は過去の標準を下回っていますが、労働市場の改善と低インフレの追い風を受けた世界の個人消費が米国、欧州、日本の好調を牽引してきました。中国と欧州大陸における需要の弱まりと過剰設備を背景にインフレ見通しは後退しているものの、米国、英国、日本の労働市場の改善は中央銀行が追加緩和に一段と慎重になる可能性を意味しています。国債は景気回復の初期段階に比べると「逃避先」としての魅力が薄れているとみられます。

多くの広範な資産クラスのバリュエーションは適正とみられるものの、特に魅力的な水準ではありません。株式バリュエーションは7-9月期の株価の大幅下落で改善しましたが、非常に割安な水準とは言えません。下げが相対的に小幅だったことから、クレジット・バリュエーションも改善しました。スプレッドがワイド化する一方、潜在的なファンダメンタルズは引き続き好調なことから、投資機会を提供しています。

その他、「グローバル・アウトルック」レポートの主なポイントは以下のとおりです。

  • 原油価格は今後数ヵ月、足元の水準近辺で値固めする見通し
  • 引き続きドルは上昇し、ユーロと資源国通貨には下落余地があると予想
  • 株式では米国株と比べて欧州株に割安感がある

バークレイズの四半期調査レポート「グローバル・アウトルック」は主要国の経済・市場動向を分析し、投資家への推奨をまとめたものです。

バークレイズ、成長減速環境に備えるよう推奨